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車載カメラ画像分岐:SerDes Split Board

SerDes Split Boardの用途

   稼働している車載カメラネットワークの画像を、SerDes分岐することにより画像確認、保存、再生、エミュレーションするシステムの提案です。実稼働している画像ネットワークの画像を取り出すことは困難です。車種により使用しているSerDes-ICは異なりますし、コネクタも異なります。
   SerDesの方式としては、TI社FPD-Link III規格、Analog Devices社GMSL&GMSL2規格、Sony社GVIF2などが代表的な規格です。同じFPD-Link III規格でも、ICの種類は多く接続には制限も有りますし、Des-ICからはSer-ICを指定している場合も有ります。SerDes用のコネクタとしては、FAKRAコネクタ、HSDコネクタ、MXコネクタなどが一般的です。これらのコネクタは、転送帯域によっても変更が有ります。
   実稼働している画像ネットワークの不具合を発見するには、実稼働させながら画像データを取り出して検証する必要が有ります。これを実現するために、当社ではSerDesスプリットボードを数種類開発しております。
   スプリットボードの種類は、パラレル変換用、MIPI変換用、SerDes変換などが有ります。
   最近開発したボードは、パラレルスプリットボードNV046-Aになります。NV046-Aボードだけでは分かり難いので、Analog Devices社GMSL規格の場合の変換方式を実例で紹介いたします。

1、既存の接続

   このような構成の場合、システム起動時に、ECU側からカメラに動作設定してから画像の送信が始まります。この設定ファイルは、ECU等のプラットフォームにより設定は異なります。ECU経由以外で、この画像を取り出すのは困難ですし、SerDesのメーカー名、品番が分からない場合もあります。

2、画像の取り出し

   SerDesのメーカー名、品番が分かってからの画像の取り出し方法について説明します。システム起動時に、ECU側からカメラに動作設定しますので、この設定はスルーでカメラに設定する必要が有ります。そこで、このSerDes伝送路に中間にSerDesボードとスプリットボードNV046-AとSVM-03を組み込みます。概要構成は以下になります。


   このような構成にしますと、ECU側からはカメラ間にないのものとして、ECUを動作させることが出来ます。詳細なブロック図は、上記画面をクリックしてください。1CHカメラの場合と、複数カメラの場合の接続図をみれるようにしておきました。
この構成にすることにより、システムを動作させながら画像を確認したり録画することが出来ます。
また、SerDesボードを入れ替えることにより、各種のSerDes規格に対応することが可能となります。

 I2C通信モニター機能

   上記の様なクローズ環境における接続の場合、TI社FPD-Link III、Analog Devices社GMSL、Sony社GVIF2等のSerDes基本設定以外の項目が多く、車載製品メーカーのクローズ情報も多くなります。
   主なお問い合わせは、下記の様な項目になります。

  1. ①車載カメラを購入したが、動作方法が分からない。メーカー製カメラ評価環境以外では、動作しない。
  2. ②車載カメラと画処理機器(ECU等)を購入したが、どの様に画像を取り出しているか分からない。
  3. ③ディープラーニング用のプラットフォームを購入したが、メーカー指定のカメラ以外の画像出力装置と接続できない。

   弊社では「I2C通信モニター」をI2C通信解析用に開発しております。このモニターは、3年ほど前に開発したデバッグツールです。I2C通信モニターは、SVボードを使用して、I2C通信をUARTで連続でモニターする機能です。概要は下記をご参照ください。
I2C通信モニタ機能について(PDF)

※販売方法はコンサルタント料込みの受注になります。対象機器により、提案構成、納期も異なります。お問い合わせは、弊社営業までお願いします。

 パラレルスプリットボード NV046-A

   NV046-Aは、パラレル入力インタフェース基板とパラレル出力インタフェース基板との間を接続するための基板です。弊社 SVM-03 基板用のデシリアライザ基板や SVO-03 基板用のシリアライザ基板と共通のインタフェースを持っており、本基板用の入出力インタフェース基板は既存 SVM/SVO 基板と入れ替えて使用することができます。本基板は異なるシリアルインタフェース間の変換(ex. GMSL to FPD-Link III)などの応用に使用することができます。
   映像信号 (パラレル) 入力コネクタとして CN1、映像信号出力コネクタとして CN2 を備えており、CN1-CN2 間は16bit + SYNC のパラレル信号が接続されています。通常は CN1 にデシリアライザ基板またはパラレル出力を持つカメラ、CN2 にシリアライザ基板を接続します。
   NV046-A基板上には USB マイコン (PIC18F14K50) と 32KB のEEPROM を実装しており、PC と接続した I2C データの送受信が可能です。詳細は、NV046-Aの仕様書をご参照ください。
NV046-A_ハードウェア仕様書(PDF)

3、その他のスプリットボード

   MIPIスプリットボード NV032-A  (960分岐)

 NV032-Aは、TI 社 FPD-Link III 信号を MIPI 信号と FPD-Link III 信号に分岐するためのインタフェース変換基板です。FPD-Link III 規格で送信されるシリアル映像信号と MIPI 信号との両方向の変換機能があり、弊社キャプチャボード  SVM-06 と組み合わせて使用することができます。
   NV032-Aは、デシリアライザ IC DS90UB960 を搭載しており、MIPI CSI-2 (4レーン x 2 系統) の出力は コネクタ CN4 とシリアライザ IC DS90UB953 に割り当てられています。SVM-06 基板と組み合わせることで、FPD-Link III 映像の表示、録画、各 IC のレジスタ設定と同時に、同じ映像をFPD-Link III を経由したターゲットデバイスに出力することが可能です。シリアル信号の入出力として FAKRA 規格のコネクタ(シングルエンド転送)および HSD コネクタ (LVDS 転送)を実装しており、車載用カメラとの接続に最適です。FAKRA 入力は PoC (Power on Coax) に対応しています。
   DS90UB960 と SVM-06 コネクタ間の I2C バスは常時接続されています。この I2C バスと DS90UB953 の I2C ポート間はバススイッチが挿入されており、SVM-06 からのコントロール信号で切断可能な構成となっています。デフォルト状態ではこのバススイッチは接続状態となります。詳細は、NV032-Aの仕様書をご参照ください。
FPD Link III 分岐 基板_ハードウェア仕様書(PDF)

 MIPI変換ボードNV043

   NV043は、MIPI 入力インタフェース基板と MIPI 出力インタフェース基板との間を接続するための基板です。弊社 SVM-06 基板用のデシリアライザ基板や SVO-MIPI 基板用のシリアライザ基板と共通のインタフェースを持っており、本基板用の入出力インタフェース基板は既存 SVM/SVO 基板と入れ替えて使用することができます。
   NV043は異なるシリアルインタフェース間の変換(ex. GMSL to FPD-Link III)などの応用に使用することができます。MIPI 信号入力コネクタとして CN1、MIPI 出力コネクタとして CN2 を備えており、CN1-CN2 間は 4 レーン +1 CLK レーンの MIPI 信号が接続されています。通常は CN1 にデシリアライザ基板または MIPI 出力を持つカメラ、CN2 にシリアライザ基板を接続してください。
   ボード電源は CN5 から DC 5-15V を入力することで、基板上 DC-DC コンバータにより 3.3V に降圧され、ボード上電源および CN1, CN2 電源ピンに出力されます。また、デシリアライザ基板に供給するカメラ電源として CN5 に入力された電源を使用することができます。この場合、CN3 からケーブルによりデシリアライザ基板のカメラ電源入力に接続します。JP1 を短絡することで CN1 経由でカメラ電源を供給することも可能です。
   NV043上には USB マイコン (PIC18F14K50) と 32KB のEEPROM を実装しており、PC と接続した I2C データの送受信が可能です。
詳細は、NV043の仕様書をご参照ください。
NV043_ハードウェア仕様書(PDF)

4、受託開発

   弊社SVシリーズボードを流用した受託開発ボードを多種開発しております。上記で紹介したボードはこれらの一部になります。
   必要なSerDes関連ボードが有れば、是非お問い合わせください。

※品名、社名は各社の商標です。本資料は仕様変更の為予告なく変更する場合があります。