OV7670とSVI-06をつなぐ中継基盤をつくろう~前編~【2013/11/23】
弊社ではイメージセンサから映像を取り出すための、画像キャプチャーボードSVI-06を販売しておりますが、導入を検討されているお客様から、「イメージセンサとSVI-06をつなぐにはどうしたらよいのですか」と質問を良く受けることがあります。
弊社からは「中継基盤を作成する必要があります」とご回答をさせていただいておりますが、もう少しわかりやすい回答をしたいと考えておりました。
そこで今回の開発者ブログでは、SVI-06とイメージセンサをつなぐための中継基盤を作ってみました。
今回ははんだづけを行うだけの一番シンプルな中継基盤を作成しています。
今回中継基盤をつくるのは、はんだごてを大学の授業で1度しか使ったことがない超が付くハードウェア製作の初心者です!!!
そんな私が、中継基盤を作成して感じたポイントや苦労したこと等を含めて初心者の視点でブログにまとめてみます。
まずは、中継基盤を作るための準備するものはこちらです。

ユニバーサル基盤(穴数:25×15)
ピンソケット(メス)2×25(50P)
L型ピンソケット2×10(20P)
ジュンフロンETFE電線 0.26mm 10m(青)
OV7670カメラモジュール(SCCBインタフェース)
・SVI-06
・はんだごて・はんだ・FS‐200 フラックス
・ピンセット
・中継基盤の配線図(Excelで作成)(wiring_diagram_OV7670.xls
※2013/11/28:OV7670の配線図に一部誤りがありましたので修正したものに変更いたしました。

ピンセットは細い導線を配線したり、はんだづけするときに導線をつまむなどに役立ちます。
初心者の方は特にあったほうがやりやすいと思います。
SVI-06につなぐイメージセンサとしてオムニビジョン社のカメラOV7670を使いました。
(ちなみに、一部配線変更を行うとOV5642カメラも今回の中継基盤を使うと接続可能です。)

まず、イメージセンサのピン数とSVI-06ピン数を調べてみて材料を購入しに行ったのですが失敗したと思いました。
それは、今回なにげなく購入したピンソケットを使うと、中継基盤の配線がしづらいピン配置になってしまったからです。
またカメラの向きも想定していたものと偶然一致していましたが、それもおかしな方向を向いていたかもしれません。
そう考えると、材料をそろえる前に中継基盤の配線図を作っておくほうがベターといえます。

<作成のポイント1>
材料をそろえる前に中継基盤の配線図を作っておこう!
とはいえ、材料を買ってしまったので、今回はこのピンソケットに合わせて、中継基盤の配線図を作ります。

配線図を作るのに必要なのは、中継基盤と接続するSVI-06とOV7670のピンアサイン表になります。
SVI-06のピンアサインは、ハードウェアマニュアルに記載されていますご確認ください。
それぞれのピンアサイン表からピン配置をExcelのシートに並べたものが下記になります。
※このピンアサインは間違っています。初めての私が躓いた過程も含めて記載のためこのまま掲載しています。
正しいものは次回もしくはこちら(配線図_OV7670.xls)をご覧ください
左側の背景色が青の部分がSVI-06のピンアサインで、右側にある橙色背景色の部分がOV7670のピンアサインになっています。


実際の基盤上では、表面にOV7670接続用のピンソケットを、裏面にSVI-06接続用のピンソケットを接続します。
このExcelで作ったピンアサイン図をもとに、実際に配線する線もExcelシートに記載して、配線のイメージをつかみます。
途中までですがこのような感じに行いました。

作っている人しかわからないくらいごちゃごちゃしていますが。

※このピンアサインは間違っています。初めての私が躓いた過程も含めて記載のためこのまま掲載しています。
正しいものは次回もしくはこちら(配線図_OV7670.xls)をご覧ください


<作成のポイント2>
いきなり基盤に配線していくのではなく、Excelシート上で配線してみてイメージをつかみましょう!
このようにして、最後まで線で結んでいき、配線のイメージをつかんだところで、実際の回路基板に配線を行っていきます。
最後まで配線したものがこちらになります。

<OV7670ピンソケット側> <SVI-06ピンコネクタ側>

SVI-06ピンコネクタ側の配線がやや回りくどいことになってしまいました。
途中から気が付いたのですが、コネクタのヘリをぐるっと回さないほうが見栄えがよいです。
また、はんだづけですが、フラックスをつけてはんだづけを行うとほとんど失敗しなくなりますのでぜひフラックスをつけてはんだづけをしましょう。
初心者の私でもこのようにきれい??かどうかはわかりませんが一応はんだ付けに失敗せずに行うことができました。

<作成のポイント3>
はんだづけ初心者は絶対フラックスを使いましょう!
さて、実際にSVI-06とOV7670をつなげて動くかどうか確認してみましょう。
ここで実際にカメラをつなぐ前にカメラに供給する電圧を調整します。
今回カメラの電源とはSVI-06のVDD_Hピンで接続しています。
そのため、SVI-06のVDDHの電圧を調整します。
購入サイトの表記に低動作電圧:2.5V~3.0VDCとあるので、VDDHを2.8Vに調整します。
調整の仕方はSVI-06説明動画をご覧ください。
カメラへの供給電圧を調整したら、カメラに初期設定を行います。
初期設定をおこなうにはまず、SVI-06に付属のI2Cコントロールソフトを起動します。

OV7670のデータシートのP11にslave addressの指定の記載があります。

「slave addresses are 42 for write and 43 for read」(数値は16進表記です)
弊社のSVICtrlは上記のアドレスを1ビット右にシフトした値「0x21」(弊社の仕様として、APIの中でRead、Writeの値を1ビット左シフトして使用しています。)
また設定ファイルはこちらov7670_VGA_UYVY.txtを使用しています。

通信を行わせようとしますが、Errとなってしまい、何も設定できません。何度もやってみましたが全くできません。

おや???何でしょうか???

今までの作業としては配線しかしていませんので、もう一度配線を見直しましょう。

これは、実際のOV7670で見た時にはいったいどっち向き何でしょうか???
カメラが付いていないから裏面の図なんじゃないかと思っていたのですが。。。

OV7670の前の左下(丸印のところ)に△の印とはんだづけの形が異なっているところがあります。
そこで再度OV7670のピンアサイン表を確認します。やはり上の左下のところに■と矢印があります。
そこで、OV7670の実機をもう一度確認すると、OV7670の前からの写真と同じ位置にも同じものがあるわけです。ようするに、中継基盤のOV7670ピンソケットのピンアサインが左右逆でした。
がっかりしました。
<作成のポイント4>
ピン配置表・イメージセンサの両方に目印があるから、まずは目印を探しましょう!
ということで、今回はここまでとします。次回新たに中継基盤を作り直して動作させるところまで進めたいと思います。

次回の更新は2013/11/28(木)を予定しています。

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