SVI-06とオムニビジョン社製カメラOV7670を接続基板を作成して接続を行うOV7670とSVI-06をつなぐ中継基盤をつくろう」を掲載しました。
この記事では、カメラモジュールとSVI-06をつなぐ中継基盤を手はんだにより作成する内容でした。
今回は中継基盤を作成するのではなく、もう少しお手軽にフラットケーブルを使用してカメラモジュールとSVI-06をつなぐ方法をご紹介します。
※ご注意:全てのカメラモジュールと接続できる保証はありません。この内容をもとにケーブルを作成される場合にはカメラモジュール等の仕様も検討のうえご判断ください。
今回作成するケーブルの特徴は次のようなものになります。
・8ビットデータ出力のカメラモジュールを使用し、SVI-06ボード1枚に対して2つ接続可能
・カメラモジュールが1つでも使用可能
・カメラとの通信はI2Cにて行う
・カメラ電源は1電源および2電源タイプに対応
カメラ接続ケーブルを作るために準備するものはこちらです。
1.60芯フラットケーブル×1本(今回作成に使用したのは2mリンク先は参考)
2.圧着用コネクタ×1
3.QIコネクタ信号伝達コネクタ(黒)1×1 ×64個
4.QIコネクタ用信号伝達コネクタ用ピン メス×64個
5.ピンヘッダ
6.ラベルシール
7.配線図(2ch_to_1ch_配線図.xlsx)
今回作成するケーブルのSVI-06につながる側については、SVI-06のピンヘッダにそのまま差し込めるように、2の圧着用コネクタを接続します。
圧着コネクタを取り付けると右図のようになります。
次に、カメラ側に接続する方に4. QIコネクタ用信号伝達コネクタ用ピンを取り付けていきます。60芯ケーブルですが、1芯ずつはがしてピンを取り付けます。
取り付け終わると左図のような形になります。
このコネクタは圧着ペンチ等の圧着専用の工具を使用して接続を行います。
ちなみに今回使用した圧着工具は「大西 圧着工具コネクターピン用(ワイヤーストリッパー付)」です。
このコネクタの取り付けは慣れると2分くらいでできましたが、慣れるまでが大変で、圧着したと思い引っ張ったら、抜けてしまうという失敗を何回かしました。ですので、初めての方はいきなりコネクタに圧着せずに数本練習用のケーブルで試してから本番のコネクタの圧着にうつるほうがよいと思います。
コネクタピンをつけたら、この上に3. QIコネクタ信号伝達コネクタを取り付けます。
取り付けるとこのようになります。先ほどのコネクターピンの金属がすべて見えなくなります。
これを60芯すべてに適用してできたものがこちらです。
なかなかの力作です。この状態のケーブルを作るのに半日以上かかりました。
これで事前の準備が完了しました。
次からは配線図をもとにいくつかのケーブルをつなぎ合わせていきます。
まず、配線図を見てください。
詳細な配線図は(2ch_to_1ch_配線図.xlsx)をダウンロードしてみていただければと思いもますが、SVI-06のピンヘッダはCN4とCN5に分かれています。
CN4が50ピン、CN5が10ピンの計60ピンとなります。
データ長が16ビットのカメラを1台接続するのであればCN4の50ピンの接続で対応できるのですが、今回はSVI-06ボード1枚に2つの8ビットデータ長のカメラを接続するのでCN5の10ピンも使用しています。(CN5は拡張ピンヘッダになっており必要がある場合にのみ付属しています。通常はCN5にピンヘッダは付属していません。)
※この配線図は2チャネルカメラを接続するための配線図になっています。SVI-06側のピン配置は変更ありませんが、対象となるカメラのピン配置が異なる場合にはカメラ側の配置を適宜修正してから配線をしてください。
2チャネルカメラで共通の配線になっている、VDDL、VDDH、SDA、SCLを分岐させます。
まず、分岐させる芯線を真ん中付近で切断します。
そして、分岐させるためにもう一本フリーの芯線を接続してはんだ付けします。
(はんだづけは素人です。上手にできていません。)
はんだづけしたケーブルを、先ほど切断した残りの片側にはんだ付けします。
最後に保護のために収縮チューブなどで覆って完了です。
これを4本のケーブルすべてに行います。
なお、今回は4つを分岐させましたが必要があればほかのケーブルも同様に分岐させます。
次に、配線図を見ながら芯線1本1本にラベルを張っていきます。
ラベルを貼るのは人が見てわかりやすくするためだけですので、特に必要ない場合は行う必要はありません。
最後に4.QIコネクタ用信号伝達コネクタ用ピンの先端にピンヘッダを差し込んでおきます。
最後まで終了すると左図のようになります。
これで完成です。
さて、最後に作ったケーブルがちゃんと使えるかどうか、2つのカメラモジュールをつなげてテストしています。
(今回はカメラにいきなり接続していますが、ケーブルの作成が終わったら念のため、テスターを使って導通チェックを行うとよいと思います。)
SVI-06とカメラを繋げました。
つなげるときは配線図を見ながら1ピンずつピンヘッダに挿していきます。
くれぐれも間違えないようにしましょう。
では、つなぎ終わったらカメラからの映像をSVI-06に取り込んでPCの画像に映してみましょう。
2chカメラ接続なので、右と左のカメラで異なる対象物を映しています。
その映像がSVI-06に取り込まれて、PC画面上にあるアプリケーションで表示されているのがわかるかと思います。
(※SVI-06は2チャンネルカメラ接続用のFPGAを使用しています。)
今回は、SVI-06ボードとカメラをつなぐケーブルを作成しました。
このようにカメラ側が1ピン1ピン接続可能な状態になっていれば、カメラが変わってもケーブルを作り直すことなく、ピンの配置を変更することで流用することが可能です。
カメラモジュールによってピン配置が異なりますので、いろいろなカメラモジュールを扱う場合には便利だと思います。
ただし、ケーブルにはノイズが乗りやすいのでご使用に際してはカメラ等の状況を確認の上ご判断ください。
ネットビジョンは、5/14~16に東京ビックサイトで行われます組込みシステム開発技術展に出展します。
このケーブルを使用した展示も展示予定です。展示会にお越しの際には是非弊社ブースへもお越しください。
【名 称】第17回組込みシステム開発技術展
【会 場】東京ビッグサイト西展示
【ブース】西3-62
【会 期】2014年 5月14日(水)~5月16日(金) 10:00~18:00