前回は動的再配置を使っての機能追加の方法について、カメラからのデータ信号の反転という例をもとに説明をしました。
動的再配置を活用すれば、SVI-06基本機能部分を開発しなくて済み、ボードのデバッグも不要なので大幅な作業工数の削減が行えます。とても簡単にユーザロジックを組み込むことができる動的再配置を使わない手はないですね。
そこで今回は動的再配置の特徴などを説明します。
FPGAのプラグイン的な機構ともいえる動的再配置ですが、この機能を活用する最大のメリットは、SVI-06の基本機能である“ボード上のメモリへ画像を取り込み、その画像データをホストPCへ転送する処理”などの大がかりで煩雑な機能を、開発することなくそのまま活用することができる点にあります。
SVIシリーズは2004年から販売を開始し、イメージセンサを活用する国内外の多くの企業に導入されています。
そのため、カメラモジュールやイメージセンサの信号への対応やPCへの画像転送など多くの実績を積み重ねてきております。
そのため、動的再配置を活用したユーザは、ユーザ固有の追加機能開発に集中することができ、短期間でかつ効率的な追加機能の設計、開発、検証、評価を行うことができます。
また、カメラのデータ信号をもとにユーザ固有の機能を自由に追加できますので、データ信号の形式が変更になった場合や、カメラモジュールに限定することなく、様々なデータ入力に対応することができます。
また、ユーザが作成したFPGAソースコードは弊社を含めて公開することなくSVI-06のFPGAに組み込むことが可能です。これにより、ソースコード共有による知的資産の流出も防ぐことができます。また、FPGAソースコードの自社開発が容易になり委託開発をせずに済むため、開発コストを低く抑えることができます。
動的再配置領域で複数のモジュールに対応すれば、SVI-06ボードの汎用性が高まるため新規のボードを開発することなく、SVI-06ボードを多くのモジュールで活用していただくことができます。
動的再配置領域でできることは次のようなものを想定しています。
・カメラI/F変換
・画像の拡大、縮小、圧縮
・色変換
・ホワイトバランス等の画質調整、補正
・画像の解析
・2ch入力(ステレオ・カメラ)
・カメラ以外のセンサやターゲットからのデータ取り込み
・その他カメラの付加機能
便利な機能ではあるものの、デメリットもあると考えています。
こちらの仕様に則って追加機能の開発を行っていただくため、ある程度の仕様を把握していただく必要があります。
この部分のラーニングコストが発生してしまいます。
また、現時点ではカメラからSVI-06Coreの間のPre-process(前処理)部分のみの追加開発しかできないという点です。
実は、このデメリットについては、弊社にて機能開発を進めていけば解決することができます。
具体的にはFrame Memoryを処理できる動的再配置領域(Intermediate Process(中間処理))とFrame MemoryとUSB3.0 I/Fに渡す間に動的再配置領域(Post-process(後処理))を追加することを行います。
詳細につきましては弊社サイトの動的再配置ページをご確認ください。
3回に分けて動的再配置の説明を行ってきました。
メリット・デメリットをご理解いただいた上でご活用を検討いただければ幸いです。
またこの機構自体を自社の仕組みとして組み込みたいといった場合のコンサルティングも可能です。
弊社の製品紹介の色が濃い内容となってしまいましたが、このような技術開発にも取り組んでおります。
ぜひ、興味ありましたら弊社までお問い合わせください。
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