最新事例/SVシリーズ
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☆最新事例/2021年11月更新
2021年10月現在までの最新の開発事例などをご紹介いたします。

2020年10月からMIPIモニターボードSVM-06を販売開始しております。SVM-06は、複数カメラの入力、カメラエミュレーション機能など、様々な機能を取り込めるように開発したボードです。
お陰様で、多くのお客様のニーズに対応できております。今回はこの一部をご紹介いたします。


☆2021年10月までに開発済みの機能と商品
Virtual Channel(VC)対応
   最新の車載カメラは、複数の情報をまとめて出力する仕様に変化してきております。当初はHDR(High Dynamic Range)程度でしたが、現在はYUVとRAWを同じフレームに混在させる等、少ない配線で情報量を増やしていく傾向にあります。また、車載SerDesの帯域も、6Gbps前後と高速になってきております。この伝送路を利用し、複数カメラの画像、センサー情報等をまとめて、伝送路1本で転送する等の効率化が図られています。
   当社では、これらの環境を効率よくデバッグする為のデバッグ環境を開発しております。その一例として、Virtual Channel(VC)画像の録画、再生装置を紹介いたします。

1,Virtual Channel録画構成

   カメラからの画像フレームに、複数のVCエリアが混在する場合、SVM-06を1枚で取るにはFPGAの修正が毎回必要になります。FPGAの処理としては、カメラ毎にクリッピング機能エリアを設定し、画像のライン単位で、フレームのメモリに画像を保存した後で、ホストPCに転送することになります。VCはこれからの機能なので、今後の活用方法によりFPGA処理も変更になってくると考えております。

現在、弊社で提供しているのは、一つのカメラからの画像を、MIPI分岐しながら個別に取得していく方法です。    接続ボードは開発済みですので、各SVM-06ボードに、どのVCエリアを取るかレジスタで設定すれば、簡単にVCチャネルごとに画像を取得ができます。
   上記の構成は、TI社FPD-LimkⅢ規格、Analog Devices社(旧Maxim社)GMSL規格のカメラシステムの構成になります。この場合は、MIPI分岐用の専用FPGAをSVM-06に移植する必要があります。
   Sony社GVIF2規格の場合は、このIC自体がデイジーチェーン機能を持っているので、標準FPGAで対応できます。
後は、SVM-06のFPGAレジスタに下記のコマンドを設定するだけです。
10000068, 00,32,10,00 ; VC0 Capture   or   10000068, 00,32,01,00 ; VC1 Capture

2,Virtual Channel再生構成


   VC画像の再生ですが、種類の異なる画像を同期して出力することになります。録画と同様に、SVO-06を複数枚使用することにより対応可能となります。この場合の処理はライン単位でのMIPI分岐ではなく合成処理になります。下記の図は、4CHの異なった画像ファイルから、VC画像を合成した例になります。
   SVM-06は画像出力の為に、FPGAをイメージジェネレータ用に入れ替えております。仮品名としてSVO-06βとしています。上図の通り、各ボードを同期させながら、画像ファイルをライン単位で合成していきます。


   VCカメラ開発は、開発までに2年以上の期間が必要になります。この構成により、VCカメラ完成前に、DSP、ECU等の装置開発が可能になります。


   右の写真は、SVM-06と接続ボードを実際に組み上げた図です。MIPI信号を分岐もしくは合成する為、同軸細線ケーブルを使用しております。コンパクトで卓上で使用できる大きさになっています。


☆開発中の機能と商品
SVM-06 Vendorモード[ β版 ]:2022年4月開発完了予定

   SVM-06ボードにVendor(ベンダー)モードを追加しております。
(Vendorモードとは、SVIシリーズで動作していた、USB3.0を使用した弊社独自のプロトコルでSVIボードを制御するモードです。弊社独自のプロトコルで、映像取り込みや、I2Cでのカメラ制御 等をします。)
モニターボード系の製品は、UVC(USB Video Class)を使用しておりますが、UVCはWindows標準ドライバの為、ターゲットのハード的なコントロールが難しくなります。
   弊社モニターボードも、I2CコントロールはVendorクラスドライバを使用しております。カメラの検査、今後増えてくるEmbedded Dataの処理には、Vendorモードが最適な環境となります。
   現在の開発状況は、モニタリング、I2C対応のみで、レコーディングは未対応となっております。



可逆圧縮JPEG-LS/FPGA-IP:評価版完成
   車載で自動運転等に使用される画像は、精度を上げるためほとんど非圧縮プログレッシブ画像が使用されています。 最近の研究開発では、4K画像(横4,000×縦2,000前後の画面解像度に対応した映像)が使用されることが多くなってきました。映画、カメラに使用されるDCI 4096×2160(画素数8,847,360)と、テレビ放送やディスプレイで使用される4K UHDTV 3840×2160(画素数8,294,400)があります。4K-30fps&60fpsの画像は処理するのも大変ですし、画像を保存しておくのも大変な作業になります。
   そこで弊社では、可逆圧縮JPEG-LSのFPGA-IPを開発しております。 評価用に開発しましたのは、MIPIモニターボードSVM-06用に1080P(1920x1080)-30fpsまで可逆圧縮できるIPです。伸長IPは、720P(1280x720)-30fpsまで伸長できるIPを開発済みです。これらのIPは並列処理することにより、画素数、フレームレートは向上できます。しかし、SVM-06標準FPGAでは容量不足となる為、FPGAは大容量の物に入れ替える必要があります。
   JPEG-LSは可逆圧縮ですので、非圧縮プログレッシブ画像からの移行も容易だと考えております。JPEG-LSの圧縮率は平均すると半分程度になります。いきなりハードでも評価は大変だと思いますので、評価用の圧縮伸長アプリも開発しました。今回のJPEG-LS-IPは、独自開発となります。評価依頼は、弊社営業までご連絡ください。




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