こんにちは、NetVision技術部の天野です。 🐧
今回は、国際画像機器展2023にて弊社ブースで展示した「MIPI A-PHY カメラ映像表示デモ」とその際使用した「A-PHY Deserializer Board」について紹介します。
「MIPI A-PHY」とは
「MIPI A-PHY」とは、ADAS、ADS、IVIなどの車載アプリケーション向けの長距離SerDes物理層インターフェースです。
MIPI
物理層規格 |
用途 |
速度/1Lane(HS) |
伝送可能距離 |
C-PHY |
スマートフォン
IoT機器など |
5.7Gbps |
数十cm |
D-PHY |
スマートフォン
IoT機器、自動車など |
2.5Gbps |
最大約30cm |
A-PHY |
車載ネットワーク
(カメラ、センサ)など |
16.0Gbps
*VA7000シリーズは8.0Gpbs |
15m |
この規格は、数〜数十Gbpsの高速伝送が可能であり、ノイズの影響を受けにくい特性を持ちます。
既存のMIPI C-PHYやD-PHYと比較して、1レーン当たりの最大データ伝送速度や伝送可能な距離が向上しており、車載ネットワークに最適化された規格と言えます。
また、MIPI A-PHYは、MIPI Automotive SerDes Solution (MASS)の基盤として、カメラ、センサー、ディスプレイの統合を簡素化し、機能の安全性やセキュリティも組み込むよう設計されています。
A-PHY Deserializer Board (NV069-A)

Valens A-PHY ICを搭載した弊社のA-PHY Deserializer Board (NV069-A)は、Valens社が開発したIC VA7044デシリアライザを搭載しています。
このボードはCoax FAKRAコネクタやUTP MATEnetコネクタから入力されたMIPI A-PHY信号を、弊社のMIPIモニターボードであるSVM-06と組み合わせることで、HDMIまたはUVC経由で容易に出力することを目的としています。
このボードがあれば、メーカーを問わずにA-PHYカメラの評価ができるため、効率よく開発を進めることができます。
さらに、外部デバイスのI2Cバスと接続可能なコネクタ (J8)の先にはレベルシフタを搭載しているため、VA7044のIO電圧が1.8Vに限定されず、AARDVARKやRaspberry Piなど様々な装置を接続することが可能です。
国際画像機器展2023 展示デモ

国際画像機器展2023では、弊社が新たに開発した「A-PHY Deserializer Board(NV069-A)」と日本ケミコン社製のMIPI A-PHYカメラを接続し、カメラ映像をPCに表示するデモを行いました。
国際画像機器展2023では、既存の弊社MIPIモニターボードSVM-06と組み合わせて使用しておりますが、「A-PHY Deserializer Board(NV069-A)」は、弊社で現在開発中の次世代ボードとも接続できるようになる見込みです。
現在のSVM-06は最大6Gbpsまでの対応ですが、次世代ボードでは10Gbpsまで対応可能になりますので、A-PHYのフルスペックである8Gbpsもカバーできるようになります。
次世代ボードについての詳細は、次回のブログで解説する予定です。使用予定のInfineon社製 "EZ-USB™ FX10" についてもご説明します。
紹介は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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おわりに記事で登場した製品
- SVM-06
- MIPI A-PHY Deserializer Board:受注生産
記事で紹介した内容は、YouTubeに動画としてアップロードされていますので、そちらもぜひご確認ください。
動画でボードの動作を確認できます。
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